2008年05月08日(木)
政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は、第1次勧告に、都市計画、農地、森林の土地利用規制に関する国の権限を都道府県に全面移譲し、国の関与を大幅に廃止、縮小する改革案を盛り込む方針を固めた。都市計画法、農業振興法に基づく国の同意を廃止するほか、森林法による重要流域の保安林の指定・解除の決定権を移譲する。
都市計画分野では、〈1〉同計画区域の指定・変更〈2〉同計画区域の整備、開発、保全方針の決定〈3〉開発を行う市街化区域と開発を抑制する市街化調整区域の区分(線引き)決定――など4項目について、国土交通相が行う都道府県との協議、同意を廃止する。区域区分など2項目は、農相との協議も必要となっており、これも廃止する。そのうえで、都道府県の権限の一部を市町村へ移譲することも明記する考えだ。
農業分野では、都道府県が農地確保などのために定める「農業振興地域整備基本方針」について、農相との協議、同意を廃止する。
林政分野では、土地利用規制の中で唯一、農相が決定権を持っている重要流域の保安林の指定・解除権を都道府県に移譲する。重要流域には、二つ以上の都府県にまたがる川の流域が指定されており、民有林の保安林の多くがこれに該当している。
また、都道府県が、造林、保安林の整備など森林関連の政策に関する方向性を決める「地域森林計画」の策定・変更についても、都道府県と農相による協議、同意を廃止する。
分権委は、現行の国土交通(都市計画担当)、農林水産(農地、森林担当)両省による縦割り行政では、都道府県が都市計画や農政、林政を総合的に展開することができないと判断した。国の権限を移譲することで都道府県が責任をもって地域づくりをするように促す狙いがある。