2010年9月3日(金)
戸建て住宅やマンションの耐震改修を促すため、国土交通省が1戸当たり一律30万円を国費で助成する新制度を来年度から導入する。従来の助成制度では、市区町村も助成の一部を負担する必要があり、助成制度を設けていないほぼ半数の自治体の住民が公費助成を受けられなかった。国が一律に助成することで、地域間の格差の解消を目指す。 国交省の調べでは、現行の耐震基準を満たす戸建て、マンションの割合は2008年で全体の79%。約950万戸が基準を満たしていない。政府は2015年までに9割まで引き上げることを目標としており、今後5年で約450万戸の耐震改修が必要とされる。 従来の国の助成制度は、改修にかかる費用の23%を上限に、国と都道府県・市区町村が折半する仕組みで、個人負担が重いうえ、財政難から助成制度の導入自体を見送る自治体が多く、戸建ての耐震改修で助成を受けられるのは全市区町村の55%の957市区町村にとどまっていた。マンションの耐震改修では、約2割の351市区町村に限られていた。この結果、過去5年で耐震改修に国が計上した予算800億円のうち半分程度しか使われていなかった。 新制度では全国一律に、戸建てもマンションも1戸当たり30万円を国費で助成し、住んでいる市区町村に関係なく助成が受けられるようになる。 兵庫県では耐震改修にこれまで最大80万円を助成し、静岡県では全市町で30万~80万円を独自に助成しており、こうした自治体では、国の助成分と合わせ100万円以上が公費で賄えることになる。 また、マンションの耐震診断では100万円単位の費用がかかり、居住者同士の合意形成が難しいことから、分譲マンションの耐震診断に、1棟当たり上限200万円を国が直接、助成することにする。緊急輸送道路沿いの商業ビルや賃貸マンションのほか、病院や老人ホーム、保育所など災害時に要援護者がいる施設の耐震診断にも、上限額が助成される。(歌野清一郎)